2008年10月29日水曜日

Oさんのこと

僕が就職したての頃からずっとお世話になっている
ある印刷会社のOさんとばったり廊下で会いました。
いつもよりビシッと決めたスーツ姿に少し違和感がありましたが、
「あっ、ご無沙汰してました。」と、脳天気な僕。
「卒業させていただくことになりました。」とOさん。
「…」

少し、飲み込むのに間が開いてしまいました。
ようやくの思いで
「大変お世話になりました。」と僕。

僕が駆け出しの頃、既に社会人としての風格があったOさんですから、
もはや卒業の頃を迎えてもおかしくなかったのです。
聞けば、とっくにその時期を半年も過ぎていて、
乞われて今日まで営業を続けられていたとか。

ある意味、自分の職場の方々よりも、
大切なことをたくさん教わったような気がします。
技術畑から営業畑に移って30年だとか。
僕ですら、お付き合いをさせていただいて25年。

もう、名刺も、報告書も、計画書も、ポスターも、フライヤーも、、、
お願いすることができないのだと、
いつ理解することができるのだろう?

とりあえず、再度、

「大変お世話になりました。お疲れ様でした。
 そして、ありがとうございました。」

そう唱えながら、
柔らかな秋の日差しの中に消えていくOさんを見送ったのでした。

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